2006年10月 9日

天候判断の誤り、装備不足
登山経験豊富な参加者「予想外の積雪が原因か」信濃毎日新聞 

 ガイドの田上和弘さんは、日本アルパイン・ガイド協会(東京)の認定ガイドで、ヒマラヤの世界第2の高峰K2(8、611メートル)に挑んだこともある経験豊かな登山家。パーティーは田上さんが募集したツアーで、参加したサブガイドの女性やほかの女性5人も5年以上の登山歴があり、北アルプス縦走も経験していたという。

 田上さんは月に2、3回、福岡市内の登山用品専門店のスタッフとして常連客らに登山に関するアドバイスなどをしていた。同店によると、田上さんは、店内にツアー公告を掲示し、中級者を対象に参加者を募集。応募した6人は、これまでも何度か田上さんのツアーに参加したことがあるという。

 同店の浦一美代表(59)は「田上さんは、夏はほとんど北アルプスに行きっぱなし。経験も豊富で、無理はなかったと思う。予想外の積雪が原因としか考えられない」と話している。

観光資源でもある山岳帯、ツアー運営のイメージ、も大切なんですが、装備・天候判断等を鑑みれば 記事の書き方が違うように思える。

遭難の4人死亡、3人救助 白馬岳のパーティー 信濃毎日新聞

 大町署が田上さんから電話で聞いた話によると、7日は午後2時すぎから吹雪になり、着衣が凍り付いたような状態になった。福岡市の姉妹が、掛けていた眼鏡が曇って足元が見えなくなり遅れ気味に。田上さんがこの姉妹に付き、ほかの4人を先に行かせた。

 その後、ビバークするために、姉妹を横たわらせツェルト(簡易テント)をかぶせようとしたが、強風でツェルトが飛ばされた。そこで、3人のザックで姉妹の体を覆い、自らは救助要請へ。稜線に出てから約50メートル登った場所で、先行の4人グループと出会ったが、既に1人が倒れていたという。

こちらの記事の方が正確で、天候判断の誤り、装備不足が読み取れる。肝心要のツェルトがなくては日頃の訓練さえ役に立たない・・・

SBC最新ニュース(09日12時02分)
白馬岳の遭難・ガイドの男性が「天気の判断ミスが原因」と語る

雨か雪か微妙な時期の北ア 荒天予報の中…信濃毎日新聞 

 北アルプス・白馬岳で7人パーティーが遭難した7日は、日本の東海上を発達した低気圧が進み、中国大陸から寒気が入り込む冬型の気圧配置となったため、山頂付近は吹雪となった。10月初旬の北アは、雨になるか雪になるか微妙な時期。関係者からは、天候が荒れる予報の中で登山を決行した判断を疑問視する声が上がっている。

---長野地方気象台によると、低気圧は台風並みの勢力があり、「天気図から天候が荒れることは予見できた」と指摘する。---

 6日にパーティーが泊まった富山県側の山小屋の従業員は、出発前、田上和弘さんに「雨ですけど大丈夫ですか」と声をかけている。その際、田上さんは2年前の同じ時期にも、雨の中、同じルートをツアーで登った経験を挙げ、「大丈夫」と答えて出掛けたという。

慣れた山域であるとはいえ、過信が先行したように思える。ガイドの進退決定も、その決定の吟味を自分の中で判断できるような力量を備えていかないといけないと自分に戒める。本当のところガイドを決めるのも、難しい。でも、この山行自体の撤退は簡単に導き出せたはず。決行を余儀なくされたところにドラマがある。

亡くなられた方々のご冥福をお祈り申し上げます。

2006/10/10 09:14

悪天候の北ア・前穂高岳でビバーク、兵庫の1人凍死 : 社会 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

 9日午前9時40分ごろ、長野県松本市の北アルプス・前穂高岳(3090メートル)を登山中の兵庫県内の50歳代の男性から「ビバークしていた仲間が冷たくなって動かない」と、岐阜県警高山署に通報があった。

 要請を受けた長野県の防災ヘリコプターが同日昼前、山頂付近にいた兵庫県高砂市曽根町、薬剤師安田尚代さん(50)と男性を発見。安田さんは松本市内の病院に運ばれたが、まもなく死亡した。死因は凍死。

 長野県警松本署によると、安田さんと男性は登山仲間で、ともに登山経験は豊富だったという。

 2人は、6日に松本市の上高地から入山、前穂高岳の北尾根を縦走して、8日に下山する予定だったが、現場付近は吹雪で天候が悪く、道に迷ったという。2人は天候の回復を待つため、ビバークしていた。
(2006年10月9日19時46分 読売新聞)

山岳遭難:御嶽山 事件:MSN毎日

山岳遭難:御嶽山、前穂高岳で2人凍死 長野

---
 9日午前8時半ごろ、木曽町三岳の御嶽山の9合目付近の約2800メートル地点のりょう線上で、神奈川県逗子市逗子、歯科医、足立光弘さん(47)が、倒れているのを通りかかった登山者が発見した。足立さんは病院に収容されたが、既に死亡していた。凍死とみられる。長野県警木曽署によると、足立さんは8日に一人で御嶽山に入ったらしい。同山は吹雪に見舞われており、視界は悪かったという。

Related Entries:

at 14:48 | 分類 : 山歩思慕 | Tag : | 意見 [0] | TB [1]
トラックバックURL

このエントリーのトラックバックURL:

トラックバック

季節外れの西高東低の冬型気圧配置の到来で大量遭難 from Travellers Tales
西高東低の冬型 この10月の体育の日の連休は、下界では比較的天気に恵まれた休暇になったのではないでしょうか。しかし、山ではそうではありませんでした。残念な... [続きを読む]

Tracked on 2006年11月17日 15:42

コメントする

(初めてのコメントの時は、コメントが表示されるためにこのブログのオーナーの承認が必要になることがあります。承認されるまでコメントは表示されませんのでしばらくお待ちください)